西ウイミンズクリニック > 治療内容 新鮮胚移植をやめ、凍結胚移植に移行します
体外受精において、質の良い複数の卵子を得るためには排卵誘発剤が必須ですが、それより着床に適した時期にずれが起こってしまう事が判っています。
採卵した周期に胚移植を行う新鮮胚移植では、そこが大きな問題点でした。
それに対して、凍結胚移植ではホルモン補充で子宮内膜の発育と受精卵の成長を
同期化させる事が出来ます。その点で凍結胚移植の方が高い妊娠率を得る事ができます。また、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の心配もありません。
受精卵の凍結技術も大きく進歩しました。現在ではガラス化法という方法が標準となっています。これにより、凍結による受精卵へ障害が殆ど無くなりました。
ですので、現在では新鮮胚移植にこだわるメリットは無いと考えています。
もちろん以前新鮮胚移植で妊娠された方など、新鮮胚移植の方が有効と考えられる方はこの限りではありません。
なお、現制度において凍結胚移植の場合も移植時に助成金の申請の対象となります。
上のグラフは日本全体の体外受精の治療周期数(上)と出生児数(生まれた赤ちゃんの数:下)を示しています。
近年、治療周期数(上)は凍結胚移植(FET:緑) ・顕微受精(ICSI:赤)・体外受精(IVF:青)の割合はいずれも同じぐらいですが、出生児数(下)は凍結胚移植(FET:緑)が最も多くなっています。
これは取りも直さず、凍結胚移植を選択する方が赤ちゃんの生まれる可能性が高い事を物語っています。
2009年全国 | 62.0% |
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2011年当院 | 71.6% |
2011年全国 | 69.4% |
2012年当院 | 76.8% |
2013年当院 | 91.5% |
年々その割合は上昇しており、2013年の当院では90%を超えるまでになりました。