西ウイミンズクリニック > 病院紹介 培養技術部門紹介
培養技術部門は、胚培養士という胚培養の専門スタッフで構成されています。
主に体外受精や顕微授精に関する業務を行います。
当クリニックでは、現在4名の胚培養士が勤務しています。
我々培養士の仕事に必要な事は、培養に必要な技術や操作だけではありません。
最新の知識と情報を把握することもその一つです。
我々の施設はもちろん、世界中の研究者達が、不妊治療の進歩に向けて研究を行っています。
不妊治療は常に進歩しています。
我々はその最新の知識と情報をいち早くキャッチして、毎日の業務に取り入れる体制を作っています。
国内外を問わず発表される論文に目を通し、注目すべき論文を検討するために、院内論文抄読会を行い、学会にも積極的に参加・発表して常に新しい効果的な技術の獲得に力を入れています。
毎日の体外受精の業務の中で感じることは、患者さま一人ひとりによって、もっと言えば採卵される卵子1つずつに個性があると言う事です。
言い返せば一見同じように見える患者さまでも、体外受精に必要なポイントは異なり、同じ方法ではうまくいかないと言う事です。
体外受精を行うにあたり、我々胚培養士は患者さまごとに、年齢および身体的背景、さらに今までの治療経過はどうか?今周期の卵巣の発育状態はどうか?ホルモンの値とそのバランスはどうか?精子の状態はどうか?考えられるリスク因子は?など、出来うる限りの情報を集め、最適と考えられる体外受精のプログラムを毎回作成します。
そして、胚移植においては受精の状態、胚の発育のスピード、胚の状態、子宮内膜の状態、今までの治療経過などから、どの胚をいつ移植、または凍結するのか?その組み合わせは?これらの事を知識と経験を踏まえ、患者さまの状態と合わせて医師との相談のうえ決定します。
すなわち、患者さまの数だけ体外受精の方法はあると言う事です。
同じ方法、同じやり方はありません。その度ごとにオーダーメイド、それが我々不妊治療専門病院としての誇りです。
その中で、私たちがこだわりを持ち、特に力を入れている事があります。それは顕微授精の方法です。
今でこそ、多くの不妊治療施設で毎日のように行われている顕微授精ですが、微小な針を用いて卵子の中に精子を注入する事から、通常の体外受精に比べてリスクが高いと考えられます。
我々は顕微授精の安全性に下に示す3つのこだわりを持ち、実施しています。
PIEZO-ICSI | 顕微授精には大きく分けて、Conventional-ICSI(通常の顕微授精法)とPIEZO-ICSI(圧電素子を用いた顕微授精法)があります。 現在は、Conventional-ICSIを行っている不妊治療施設が多いのが現状ですが、我々は卵子に対する安全性の高さからPIEZO-ICSIを実施しております。 |
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ICSI-GUARD | 卵子の中には紡錘体と呼ばれる、受精や分割に重要な役割を持つ部分があります。通常の顕微鏡では、紡錘体を見ることが出来ないため、顕微授精によって紡錘体を傷つけてしまう可能性があることが指摘されてきました。 ICSI-GUARDは紡錘体を見ることが出来る装置です。我々は、すべての顕微授精にこのICSI-GUARDを用いて紡錘体を傷つけないように顕微授精を行っています。 また、紡錘体が明確に確認できる卵子は、より成熟度が高いとする報告もあります。現在このICSI-GUARDを応用することによって、紡錘体の確認率が低い場合、追加培養することによって、より受精率を上げる試みを行っています。 |
ハンドメイド ニードル | 今はほとんどの不妊治療施設で市販のICSIニードル(顕微授精用の針)を使っているのが現状です。 しかし我々はICSIニードルにこそ、ICSIの成績を改善出来る要素があると考え、顕微授精実施当初からハンドメイドのICSIニードルを培養士自身が作成してきました。 「患者さまからお預かりする卵子を1個たりともおそろかには出来ない」という思いがICSIニードルのハンドメイドというこだわりです。 |